【常総オリオンズ】

常総オリオンズ(チームカラーはグリーン)
常総オリオンズ(チームカラーはグリーン)

 常総急行は、日本プロ野球機構(NPB)のパシフィック・リーグに所属するプロ野球チーム「常総オリオンズ」を保有している。

 

 常総急行がプロ野球団を保有するきっかけになったのは、1962年に大毎オリオンズが常総急行のターミナルたる三ノ輪に隣接する南千住に「東京スタジアム」を建設したことに遡る。

 

 鉄道会社として、集客の見込めるプロ野球興行は非常に魅力的であった。そこで常総は球団に出資し、大映・毎日に続く第3の球団スポンサーとなる。

 

 諸事情により、後に大映と毎日は球団経営から手を引いた際、常総は「東京オリオンズ」となっていたチームの経営権を引き継ぎ、球団を「常総オリオンズ」と改称した。

 その後、常総オリオンズは長らく東京スタジアムを本拠としつつ野球を続けるものの、同じ東京都を保護地域とする巨人のV9に代表されるセ・リーグ偏重の風潮や、チームの低迷もあり、人気は下降線の一途をたどる。

 
 「(中継されないため)テレビじゃ観れない東京スタジアム」「(ガラガラのスタンドで行われる)流しそうめん」「(同じくガラガラのスタンドで)いちゃつくカップルや珍奇な観客ばかりが珍プレー好プレー大賞で取り上げられる球場」

 そんな自嘲気味の言葉も聞かれる中、両翼が狭隘でホームランを打たれやすい東京スタジアムは、投高打低のチームから次第に敬遠されるようになる。

 

 そこで常総は、1990年代前半、思い切った手に出る。

 長らくホームタウンとしていた南千住の東京スタジアムを辞し、保護地域を千葉県に変更の上、柏市の柏の葉公園界隈に新球場を建設し移転したのであった。

 

 移転後もしばらくは閑古鳥が鳴く有様であったが、次第に熱狂的なファンたちがサッカーのそれを模した独特な応援を始めたり、若い選手たちが女性の人気を集めたりするなど、今ではパ・リーグでも実力・人気ともに屈指の球団になり、現在に至る。