【常総急行バス】
常総急行バスは、1998(平成10)年に常総急行のバス部門が分社化されたもので、そのバスの姿は茨城県下は言うに及ばず、常総急行の鉄道網が及ばない千葉県や栃木県の一部でも目にすることができる。
これは、戦前、常総鉄道や鹿島参宮鉄道がバス事業に積極的であったことの名残りである。特に鹿島参宮鉄道は、その社是である鹿島神宮への参拝客輸送を行うため、茨城県下に留まらず千葉県北東部でもバス事業を展開。その時に鹿島参宮が獲得した路線が常総急行へと引き継がれ、現在まで残っているというわけである。
言い換えれば、今日の常総急行バスの広大な版図の裏側には、買収や併呑により消えていった多くの弱小事業者たちがいるわけであるが、彼らに共通した志、すなわち「地域に交通手段を提供することで地域の発展に貢献する」という精神は、常総急行バスとなった今でも脈々と受け継がれている。
車両自体は、つい最近まで発進時にもうもうと黒煙を噴き上げるような古いバス(排ガス記号がP-やU-など)が多数在籍していたが、目下、いわゆる「交通バリアフリー法」に基づき、ユニバーサルデザインの導入にともなう低床バスや、環境負荷低減のため低公害といわれるハイブリッドバスの導入が進み、老朽車は廃車もしくは排ガス規制のない地域のバス会社へと払い下げられた。
□ 謝辞 □
上記【常総急行バス】の項において、野川電鉄(野鉄工機)さんの「バスぬりえ」を使用させて頂きました。
ありがとうございます。